『前田利家』
-人物叢書-
岩沢
愿彦 著 |
吉川弘文館 刊 |
昭和41年12月20日(初版) |
評 価 |
著者・岩沢
愿彦(いわさわ よしひこ)氏は、大正十年(1921)生まれ。國學院大學卒。東京大学史料編纂所員を経て日本大学教授。『信長公記』『古文書文例大字典』『断家譜』『徳川諸家系譜』、「山城・近江における豊臣氏の蔵入地について」「石田三成の近江佐和山領有」「本能寺の変拾遺-『日々記』所収天正十年夏記について-」など著編書・論文多数。戦国史、古文書学の大家であった。
本書は、「加賀百万石の藩祖前田利家の実録。信長・秀吉政権の成立と展開に密着しつつ、幸運に乗って自らを開拓する勇気と才能、誠実と機智とを具え、変転する動乱の世に、順調な境遇を保って生涯を閉じる。本書は稗史や巷説に惑わされず、あくまで基礎史科を忠実に踏まえ、豊臣政権の側面を叙して、利家の真面目を描き出す。新装版は、新史料により加筆し、異説の多いその出生年次を解きあかした。 」というもの。 昭和の戦国史研究をリードした國學院大學系学者の書籍である。『人物叢書』であり、大変信用の置ける専門書となっている。『人物叢書』としてもボリュームの多い一冊であるが、まことに実証的であり、あらゆる一級史料を網羅している。そして出典の明記はこれまでに見たことがないほどに完璧である。 著者曰く、 |