『真壁家の歴代当主』

 -史実と伝説 真壁城跡国指定五周年記念特別展-

真壁町歴史民俗資料館 著

真壁城跡国指定五周年記念実行委員会 刊

平成10年10月20日(初版)
50ページ 500円

評 価
★★★

 

本書は、茨城県真壁町の発行したもので、真壁城跡国指定五周年記念特別展に際して記されたらしい。

 

真壁氏といえば、鬼真壁鬼道無夜叉道無として有名な戦国時代の猛将・真壁氏幹(まかべ うじもと)がいる。ただ、本書によれば、鬼道無は氏幹ではなく、その父・真壁久幹(1522-1589)であるとされる。

真壁久幹(まかべ ひさもと)は、剣豪・塚原卜伝の弟子となって霞神道流を名乗った。「戦場では筋金入りで鉄びょうがびっしりと打ち付けられた棒を携えて、人馬もろともなぎ倒した」(『関東古戦録』)

真壁氏は、平安末期から江戸時代まで、約四百年間、初代・長幹から十九代・房幹まで真壁の地を治めた領主だという。本書ではその詳細が載せられている。その他にも、真壁文書の紹介、真壁城の出土品などが掲載されており、貴重な書籍である。

なお、表紙の画像は、鬼道無のものだと伝承されているが、所収の宮島新一氏論文によれば、その真偽は疑わしく、道無の祖父か父親の可能性が高いという。

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城と古戦場

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