『続 山城紀行』

 -千曲川周辺の山城を歩く-

清水長久 著

自費出版(中央プリント㈱) 刊

2008年12月10日(初版)
283ページ 1,300円

評 価
★★★

 

著者・清水長久氏は、1943年長野県東御市和東上田に生まれる。1962年秋田営林局、1993年長野営林局勤務。2004年中部森林管理局退職。東信史学会会員。長野県長野市若里在住。

本書の三年前に発行された『山城紀行』の続編。「千曲川周辺の戦国時代の山城を清水さん自身が足で歩いてまとめた貴重な一冊。 三年前、千曲川周辺の山城をテーマにした「山城紀行」を刊行したが、この流域には五百を超える山城、居館跡などが存在しており、収録できなかった山城や、その後の調査で紹介したい山城が多数あったので、ここに続編を発刊することにした。

郷土史家の清水氏が、実際に訪問した長野県の山城を、紀行文的に紹介するもの。

飯山城、岩井城、壁田城、真山城、矢筒城、雁田城、大岩城、雨引城、大倉城、長沼城、横山城、小柴見城、窪寺城、吉窪城、萩野城、春山城、霜台城、川田城、海津城、竹山城、清滝城、二ツ柳城、上尾城、赤沢城など、一般にはマイナーな城砦が掲載されている。

書き振りは、まさに”紀行”であり、探索記でもある。縄張図はなく、付記されている歴史についてもそれほど実証的だとは言えないが、城の地形図が載っており、これらの山城に訪問する参考にはなるであろう。ともかく、信州の山城を扱った貴重な書籍である。

著者曰く、
「戦国時代に隣国である武田氏の侵入を許したのは、この山国に起因するのではないかと思う。県歌「信濃の国」で歌われているように「四つの平」は山岳に立ちふさがれ、交通が未発達であったころは人や文化の交流が少なく、それぞれが独立国の体であったと言って過言ではない。戦国時代に入ってもそれぞれの平野の中で、小土豪らがひしめきあっていたのであり、山岳を乗り越えて統一を図るための強大なエネルギーは生まれてこなかったのである。」

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城と古戦場

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