『新編 房総戦国史』

 

千野原 靖方 著

崙書房出版 刊

2000年8月20日(1版)
338ページ 3,800円

評 価
★★★★

 

著者・千野原靖方(せんのはら やすかた)氏は、1964年栃木県生まれ。本籍地・千葉県市川市。明治大学卒。専門は東国中世史。房総中世史研究所主宰(研究雑誌『中世房総』発行)。
著書に『
東葛の中世城郭房総里見水軍の研究』関東戦国史』『里見家改易始末-房総戦国大名の落日』『国府台合戦を点検する』『戦国房総人名辞典』『常総内海の中世―地域権力と水運の展開』『戦国期江戸湾海上軍事と行徳塩業』など多数。東国戦国史の大家であり、房総中世史研究の権威である。

本書は、「本書は、戦国大名里見氏に関する諸問題について、近年の研究を踏まえ新たな視点で追求を試みたものである。

第1章 里見氏の安房経略(享徳の乱と里見氏の安房国席巻/天文の内乱/里見氏・正木氏の上総進出)
第2章 里見義堯・義弘と上杉輝虎の関東出陣(房越同盟関係と里見氏の北進/領国支配と家臣団の構造/里見氏の外交政策の転換)
第3章 安房里見氏の大名権力の確立(里見義弘の死去と安房・上総の争乱/里見義頼の領国経営/秀吉の小田原征伐と上総国没収)

千葉県の中世史研究の第一人者が執筆された房総戦国史、特に里見氏を中心に据えた歴史書である。
里見氏と関東足利公方との関係や里見氏の出自・領国経営などに重点が置かれ、また他方で正木氏への言及も多い。内容は、史料に基づいた一流の学説書になっており、大変信頼の置ける書籍である。ともかく、今後にわたってもこの分野の研究には欠くことのできない研究書であろう。なお、表紙の古図は佐貫城のものである。

 

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