図解雑学 織田信長

 図解雑学シリーズ

西ヶ谷 恭弘 著

ナツメ社 刊

2002年1月4日(1版)
245ページ 1,300円

評 価
★★★

著者・西ヶ谷 恭弘(にしがや やすひろ)氏は、横浜市出身。歴史考古学者。専修大学法学部卒。月刊『歴史手帖』編集長、東京都荒川区史編さん委員、東京都舟番所発掘調査団長。立正大講師、日本城郭史学会代表、日本城郭資料館長、戦国史研究会で杉山博に師事。城郭研究者として知られ、多数の著書がある。

本書は、「生誕から、本能寺の変まで、信長の生涯を余すところなく、わかりやすい文章とイラストで解説。 信長の事を、冷酷非情で歪んだ性格の持ち主だと思っていませんか? 実は違うのです。長年の調査、研究の結果浮かび上がってきた信長の実像に迫った一冊。本能寺の変の原因や尾張統一への戦いなどを詳しく紹介します。 」というもの。

ナツメ社の図解雑学シリーズであり、例にもれることなく図や写真が多数掲載され、とても理解しやすい本である。本書も信長の生涯が大変良く整理されている好著と言える。

内容は、基本的には通説を列記しているので、既に知識のある人には物足りないかも知れない。なお、本能寺の変について、著者は、信長が天上人を目指し、当時の朝廷などの秩序が瓦解するのを防ぐべく、光秀は謀叛に及んだと説いているようである。

著者曰く、
信長は、自己と家中に対し厳然とした生活態度で接し、ひたすらに天にこだわった理想主義者で、合理的に物事を考えた。信長はまっすぐにその理想を貫いたゆえに後世、凡人には信長のこだわりが見抜けず、数々の物語の中でかえって歪んだ性格のように描かれてしまったのであろう。リーダーは常に孤独なものである・・・・・・、といえよう。

  戻る

城と古戦場

inserted by FC2 system