『日本合戦全集』

桑田 忠親 著

秋田書店 刊

昭和48年8月15日(初版)ほか
270ページほか 950円

平成2年3月1日(新編) 1,700円

評 価
★★★

 

著者は、戦国史研究の大家であり、高柳光寿氏と並び評される高名な歴史家であった。
明治35年生まれ。昭和62年没。大正15年國學院大學卒。東京大学史料編纂官補、立教大学講師を経て、國學院大學教授。文学博士、日本古文書学会評議員などを歴任。
千利休』『太閤秀吉の手紙』『明智光秀』『日本武将列伝』『淀君』など多数の著書があり、NHK時代劇ドラマの時代考証も担当。

本書は、「人間の歴史―それは戦いの歴史でもある。本全集は日本歴史の古代から近代初期における合戦の様相を解り易く叙述し、各巻にわたって古戦場、城址、地図、武将の肖像等を豊富に掲載し、読者の興味を倍増させるよう立体的に編集した。画期的な日本合戦史である。というもの。

昭和48年頃に出された『日本合戦全集』が平成2年に『新編』として再出版された。すでに著者は没しているので内容は同一だと思われる。

桑田氏はなかなか文才があって、戦国史を分かりやすく一般に広めた功績は大きい。本書も一般の人でも読みやすい内容であって、氏の主著のひとつと言えるだろう。

記述は基本的には通説であって、その性格から出典がほとんど明記されていない点は残念である。しかし戦国史研究の重鎮の著書だけあって、重厚な知識を基に一応信頼の置ける書籍になっていると感じられる。戦国史の概観を知るのに適したシリーズと言えよう。

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城と古戦場

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