『武田信玄 城と兵法』
上野晴朗 著 |
新人物往来社 刊 |
昭和61年11月15日(初版) 2500円 |
評 価 |
著者は、1923年山梨県生まれ。歴史家・作家。山梨県立図書館郷土資料室、県立図書館塩山分館長を経て、執筆活動に入る。その間、山梨県文化財審議会委員、NHK大河ドラマ「武田信玄」の時代考証を担当。 主著に『定本 武田勝頼』』『山本勘助のすべて』『山本勘助』『甲斐武田氏』『落日の武将武田勝頼ほか多数。 甲斐武田氏研究の重鎮の一冊。 内容は、甲斐の城館、烽火の研究、棒道の検証、金山、火縄銃にみる「竹束」、甲斐の忍者、上杉謙信の義塩の真偽とかなり広範に及んでいる。 著者は『甲陽軍鑑』を肯定的に捉える有力者であるが、『山本勘助』あたりでは、ややもすると『軍鑑』を盲信しすぎかと思われる記事も散見されたものの、本書では全体的に冷静に史料分析をされており、実証的で信頼の置ける専門書となっている。 また、内容は大変興味深く、面白い題材ばかりなので、一気に通読してしまった。武田ファンは購入して損のない書籍だと言える。 著書いわく、 |