戦国時代なるほど事典

合戦・武具・城の真実から武将・庶民の生活事情まで

川口 素生 著

PHP研究所 刊

2001年12月17日(初版) 781円
515ページ

評 価
★★★

著者・川口 素生氏は、歴史研究家(専攻は戦国・江戸時代)。1961年岡山県生まれ。岡山商科大学、法政大学文学部史学科卒業。
著書に『戦国名軍師列伝』『織田信長101の謎』『山本勘助101の謎』、分筆に『神奈川県姓氏家系大辞典』『日本史用語大事典』など。コミック「森一族」の時代考証を担当している。

本書は、
テレビや小説でお馴染みの戦国時代。しかし合戦の仕方から庶民の暮らしまで、本当はどうだったのか? 戦国の世の実像が見えてくる本。NHK大河ドラマや歴史ものの小説などを読んでいると、「本当にそうだったのか?」「史実ではどうなのか?」と気になることが多々ある。例えば、見るからに重そうな鎧や兜。本当にあれを着込んで斬り合いなどできたのか? と考えてしまうと、気になって仕方がなくなることもある。本書は、史料の丹念な調査を踏まえ、戦国時代にかんする素朴な疑問150項目についてわかりやすく解説。「出陣&軍師の真実」「戦場の作法」「城郭の構造と築城法」「攻城&籠城の真実」「経済&貨幣」「戦国の食糧事情」「武将の夫婦生活と戦国の女性たち」「戦国名将 命名と私生活」「甲冑・武器の真実」「忍者&影武者の真実」の10章構成で、全体を通読すると戦国時代人の生活・風俗の真実がありありと浮かんでくる。「武将の率いた軍勢の9割は武士以外だった!?」「軍師のおもな仕事は占いだった!?」など、目からウロコが落ちる知識も満載! 楽しくて勉強になる一冊。
というもの。

PHP文庫の一冊で、同様の書籍は多く見られる。とは言っても、本書はかなりの大部であって、読み応えは十分である。

「事典」と題するだけあって、かなり広範な分野を対象にしているが、いずれも興味深い題材ばかりである。さらには専門家として、受け売りの知識ではなく、自身で研究された上で執筆しているらしく、内容の信頼性も高いと言えるだろう。

戦国時代の「雑学」を得るにはもってこいの一冊で評することができる。

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城と古戦場

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