『千利休』
-その生涯と芸術的業績-
桑田忠親 著 |
中公新書 刊 |
1981年4月25日初版 540円 |
評 価 |
著者桑田忠親氏は、戦国史研究の大家で、高柳光寿氏と並び評される高名な歴史家であった。
本書は「利休の生涯を徹底究明し、その茶道文化を評価する。茶人としての利休は、はたしてどのような業績を遺したか。著者は、五十年余にわたる利休関係文献批判に基づいて、利休の人物の真相を究明し、その茶人としての、あるいは芸術家としての業績を歴史的に評価する。 」というもの。
著者は戦国史の重鎮であったが、特に茶道の分野については権威・泰斗であった。とりわけ千利休に関する研究では、名著『定本 千利休の書簡』をはじめ、現在でも大きな影響力を有している。 その桑田氏が逝去する6年前に、これまでの研究の集大成として世に出したのが本書である。その内容は、新書ながら、極めて充実したもので、千利休の事柄を博捜・網羅した一級の専門書というべきものである。史料に基づく実証的な書籍である。 千利休研究には必携の一冊ということができる。 著者曰く、 |