『イラク歴史紀行』

チグリス・ユーフラテス物語
 

高橋英彦 著

NHKブックス  刊

昭和56年4月20日初版
246ページ 750円(1版)

評 価
★★★

著者高橋英彦氏は、学校法人東北公益文科大学顧問、東北公益文科大学名誉教授。

東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、三菱商事株式会社入社、バグダッド駐在員、ナイロビ駐在事務所長、関連会社社長など歴任。国連薬物統制計画 (UNDCP 現 国連薬物・犯罪事務所)インド事務所長、南アジア地域事務所長を歴任。

本書は、筆者が三菱商事株式会社海外建設部部長代理の時代に書かれたもので、三年半、イラクに赴任した紀行。1975年から1979年までバグダットで在勤したという。

イラクの各史跡をめぐって、史料に基づいて、気軽に読める紀行文・歴史書となっている。イラクの歴史の古さ・奥深さがよく分かる好著である。

現在でもこのような紀行が可能なのかは分からないが、中東の歴史に魅せられる一冊。

著者曰く
両国(イラン・イラク)には数多くの邦人がとどまっていることにも想いを馳せます。日本は貿易立国といわれます。さまざまな分野で発揮される日本人の勤勉さが、その最大の柱であることは言を俟ちません。そうした中でも、今日の両国のような紛争当事国のごとき、なにかと苦労の多い地域で働く人びとのことは、忘れてはならないと思うのです。なぜなら、わが国経済の成り立ちは、かかる人びとの努力に負うところがまことに大きいからであります。

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城と古戦場

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