『山本勘助』
平山 優 著 |
講談社現代新書 刊 |
2006年12月20日初版 |
評 価 |
著者・平山 優(1964年1月10日生)氏は、東京都出身。立教大学大学院修了。山梨県立中央高等学校教諭、山梨大学非常勤講師、山梨県史編さん室主査、武田氏研究会、中世史研究会、戦国史研究会、織豊期研究会、山梨郷土研究会会員。武田氏研究会副会長。 本書は、 山本勘助は、『甲陽軍鑑』にしか見えず、架空の人物であるとの説が有力であった。その後、『市川文書』が公開され、『甲陽軍鑑』の伝えるような活躍はしなかったろうが、信玄の側近くに仕えた者の中に、存在したことは事実らしい、と言われるようになったが、その定説は見ない。 そのような中で、山本勘助一本の専門書を記すことは、著者が前提として述べておられるとおり、相当に困難な仕事だと思われ、さらには、『甲陽軍鑑』に偏重した内容にならざるを得ないもの当然であろう。 しかしながら、本書は、ほとんど『甲陽軍鑑』の抜粋とも言えるような状況であって、少し飽きが来てしまったのが本音である。 |