『かながわの城』

 

三津木 國輝 著

かもめ文庫 刊

1993年9月3日(初版)
144ページ 700円

評 価
★★

三津木 國輝氏は、昭和8年小田原市生まれ。郷土史家。小田原市飯泉在住。著書に『小田原合戦物語』『小田原城秘話』『小田原の道祖神』など。

本書は、「今も城郭の姿をとどめる小田原城はじめ、かつての名城・古城の跡を訪ねて戦国武将の栄枯盛衰を偲ぶ歴史紀行。」というもの。

神奈川県の城砦のみが採り上げられており、河村新城、河村城、松田城、春日山城、岩原城、沼田城、北条幻庵居館、徳川家康陣所、小田原城、石垣山一夜城、真田城、岡崎城、大庭城、玉縄城、住吉城、新井城、三崎城、浦賀城、衣笠城、六浦藩陣屋、小机城、茅ヶ崎城、津久井城、荻野山中藩陣屋、波多野城などが掲載されている。

通説的な城跡説明文と写真が載せられている。

文庫本サイズであり、文書も平素な書き振りなので、携帯するには便利かも知れない。しかし、『日本城郭大系』を持っていれば、本書にそれ以上の事は求められない。

著者曰く、
「神奈川県は武家政治発祥の地で、建久三年(1192)には鎌倉に幕府が置かれ、その後室町幕府の鎌倉府、さらに戦国時代には関八州を制した小田原北条氏の本拠が小田原に置かれるなどして、これらに関連する多くの城が設けられた。これらをすべて掲載することは無理なこと。そこで比較的遺構の残っているものと、有名な合戦が行われた所、江戸時代に存在したものの中から選び、その他重要と思われる城館については、末葉にその所在を記載した。
各城の記述にあたっては、城の縄張りなどの専門的な考察は他の専門書に託し、その城にまつわる戦記や言い伝えを主体として、県下の各城館を巡るための案内書とした」

 戻る

城と古戦場

inserted by FC2 system