『武田信玄と勝頼』
-文書にみる戦国大名の実像-
鴨川 達夫 著 |
岩波新書 刊 |
2007年3月20日(初版) |
評 価 |
鴨川達夫氏は、1962年東京に生まれる。1988年東京大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は、戦国時代史。東京大学史料編纂所助教授。
本書は、「文書はかつて何があったかを示唆するナマの証拠である。これを主たる材料として、私たちは過去の出来事の再現に挑む。「風林火山」の軍旗で知られる戦国大名、武田信玄・勝頼父子の文書を読み解き、その人となり、滅亡に至る経緯を明らかにした一冊。文書の作られ方から丁寧に説き起こし、通説を根本から洗い直す。」というもの。 古文書の専門家である著者が、甲斐武田氏に関する文書を分析・再検討する内容になっている。 ただ、タイトルの「武田信玄と勝頼-文書にみる戦国大名の実像-」というのは、ちょっとそぐわないかも知れない。そこまで概括的に武田家を述べているものではなく、古文書の検討が中心である。「戦国武田氏の古文書」あたりが正確と感じられる。とはいえ、面白い一冊であった。 著者曰く、 |