『信長の夢「安土城」発掘』
辻
泰明 (著) |
日本放送出版協会 刊 |
2001年7月30日(初版) |
評 価 |
辻 泰明氏は、1957年生まれ。82年、NHK入局。ドラマ部、スペシャル番組部、NHK大阪放送局文化部、教養番組部などを経て、当時、NHK大阪放送局文化部チーフ・プロデューサー。 本書は、「安土城炎上からおよそ420年の時が流れた。織田信長の夢を宿しつづける幻の城が発掘調査の成果をもとに、今よみがえる。NHKスペシャル番組「信長の夢・安土城発掘」の出版化。巻頭にCGによる安土城も収録。 」というもの。 NHKが番組の制作際して取材・調査された内容が本となっている。NHKの歴史番組は、偏った史料を都合よく採り上げて”歴史を作る”ものが散見されるが、この本は広く史料を蒐集し、また当時の発掘結果を織り交ぜて安土城を語っている。 その内容は実に専門的で、恣意や偏見もなく、学術的に評価できる書籍になっている。はじめは歴史・発掘の専門家が書いたものだと思っていた。最新の安土城研究はよく知らないが、本書は入門はおろか、かなりレベルの高い点まで教えてくれるだろう。 著者曰く、 |