『日本武将列伝』
桑田 忠親 著 |
秋田書店 刊 |
昭和47年4月15日(初版)ほか |
評 価 |
著者は、戦国史研究の大家であり、高柳光寿氏と並び評される高名な歴史家であった。![]() 明治35年生まれ。昭和62年没。大正15年國學院大學卒。東京大学史料編纂官補、立教大学講師を経て、國學院大學教授。文学博士、日本古文書学会評議員などを歴任。 『千利休』『太閤秀吉の手紙』『明智光秀』『日本合戦全集』『淀君』など多数の著書があり、NHK時代劇ドラマの時代考証も担当。
本書は、「日本の歴史を動かした武将250人を一堂に網羅する武将史伝全集。源平争乱の平安末期から徳川家康の江戸開府にいたるまで、日本の歴史を動かした主人公は武門の棟梁であった。」というもの。 全5巻で250名の武将(著名な人物は詳細、準ずる人物は略伝)を紹介している。当時、國學院大學教授として中世史の権威だった著者だけに、その主著と称される書物になっている。 内容的には、辞書的なものと考えた方がいいだろう。特に際立った研究をして執筆しているわけではなく、基本的には通説が書かれている。 出典の明記もないし、どこまで史実かは分からない。しかし、著者の立場からしても、概ね信頼できる内容になっているとは思われる。 いずれによせ、中世武将の辞典的な意味で、その価値は認められるだろう。 |