『石田三成』
人物叢書
今井 林太郎 著 |
吉川弘文館 刊 |
〔新装版〕 (1988/12) |
評 価 |
著者は、明治43年大坂生まれ。東京大学卒、法政大講師、神戸大教授、大手前女子大教授などを歴任。兵庫県西宮市居住。専門は日本古代・中世史。平成15年老衰のため死去。 本書は、「関ヶ原の戦に一敗地に塗れ、ついに再起し得なかった三成の末路は悲愴である。秀吉の奉行として縦横の才腕を振っただけに、敵も多く、秀吉の死後はむしろ逆境に追いやられた。豊家の恩顧と、家康打倒との交錯したその心境はどうであったか。本書は四十年の波瀾に富んだ生涯を、正確な史料を通してダイナミックに描く出した。 」というもの。 初版は昭和36年8月で、かなり古い書物である。しかし、「人物叢書」であるだけに、その道の 残念なのは、史料・出典の明記があまり為されていない点である。通読すると、俗書の記事をそのまま採用している箇所もあり、玉石混交の感が少しある。 それはともかく、ちゃんとした歴史本であり、石田三成の生涯を知るには適当な一冊であろう。 著者曰く、 |