『日本の歴史』

-15 織田・豊臣政権-

小学館

藤木 久志 (著)

小学館 刊

1975年3月10日
390ページ 価格不明

評 価
★★★★

著者は、1933年新潟県生まれ。立教大学名誉教授。専門は日本中世史。新潟大学卒業。新潟大学では井上鋭夫に師事。東北大学大学院修了。聖心女子大学助教授、立教大学教授、1986年「豊臣平和令と戦国社会」で文学博士。99年立教大を定年となり2002年まで帝京大学教授(『ウィキペディア(Wikipedia)』)。特に戦国史の研究で有名である。

本書は、現在でも刊行されている小学館「日本の歴史」の古いもの。この「日本の歴史」シリーズがどのような発行歴があるのかは知らないが、本書シリーズはかなりの部数が出たようで、現在でも古書店でよく見かけ、安価である。

もっとも、こういう全書的なものは、もっぱら一般的な通説のみを記した、凡庸なものだとイメージしていたのだが、本書は、まったくそれと異なり、大変面白い一冊であった。

というのは、百科事典的な普遍性に終始するのではなく、著者が自分の研究結果を、自由に書き表したという印象が持てるのである。

具体的な史料を広く深く考察し、戦国時代の広範が本書で明らかになる。逆に、戦国期の知識がない人が、入門書として読むには、かなり専門的な内容で、とっつき難いとさえ思えるほど、面白い一冊であった。

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城と古戦場

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