『織田信長

石山本願寺合戦全史』

 -顕如との十年戦争の真実-

武田 鏡村 著

ベスト新書 刊

2003年1月1日(初版)
253ページ 780円

評 価
★★★

著者・武田 鏡村
1947年、新潟県白根市生まれ。日本歴史宗教研究所所長。『徳川家康の黒幕』『大いなる謎・織田信長』『親鸞・差別解放の思想と足跡』など著書多数。

本書は、「信長の「天下布武」の過程で大きな障害となったのが、各地の一向宗門徒であり、石山本願寺であった。一向宗門徒の殲滅を計る信長に対し、本願寺の顕如は、各地の一向宗門徒に蜂起を指令、かつ武田信玄・浅井長政・朝倉義景・毛利輝元・足利義昭らと“反信長戦線”を構築して徹底対決した―。十年に及ぶ石山本願寺合戦の全貌を、本願寺の側から克明に活写し、日本戦国史に一石を投じる書。」というもの。

宗教史の専門家が記した、織田氏と本願寺家との熾烈な戦いを、史料に基づいて丹念に追った一冊。
石山合戦だけを専門に扱った歴史書が少ない中で貴重な書であるとともに、確実な史料を引用・検討・明記されて、しっかりとした専門書になっている。
そして、石山合戦の通史がよく理解でき、本願寺側の思考も把握しやすい好著である。

著者曰く、
「この戦いは、日本の中世から戦国、そして近世にいたる時代を決定づけるものである。それは日本史うえでも、稀有な力強い民衆と信仰の光芒であり、一閃である。この戦いの全容を追うことは、戦国史に一石を投じるものとなる、と確信している。」

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城と古戦場

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