富隈城
富隈城(とみくま・鹿児島県霧島市隼人町住吉浜の市)は島津十六代義久によって築かれた城で、平地にあり、小山を本丸代わりにした平山城です。 この城は東西約150m、南北約250mの方形で西・東・北側に堀があったといわれ、現在は北と東側に堀の跡が残っています。城の造りは、天守閣がない館形式で城門も茅葺きであったということです。西側や東側には、野面積という技法で積まれた石垣が残っていますが、これは肥後八代の種山の石工が築いたものだと伝えられています。 義久は、文禄四年(1595)から慶長九年(1604)まであしかけ十年間ここに居住しました。義久が富隈に来たのは、豊臣秀吉の島津征伐に敗れ、降伏した意思を表すため、鹿児島の城を弟義弘の息子家久に譲り、富隈に隠居の形をとったためだといわれています。 関ヶ原の「島津の退き口」を経て島津義弘が兄・義久と対面した城です。城跡の本丸には島津氏が氏神として崇拝した稲荷神社があり、神社の南隣にNHKラジオが見られるものの、大手門跡を含む石垣が良好に残っている。 |
(【左写真】城址碑。【右写真】城址石垣。)
(【左写真】本丸にある島津氏ゆかりの稲荷神社。【右写真】跡東南にある大手門跡。)
(2010年9月15日訪問)