宮尾城（★　広島県廿日市宮島町）

弘治元年（1555）五月、毛利元就は陶晴賢を討つために、厳島に戦場を求めここに城を築き拠点とし、島の町衆を味方に引き入れ、陶軍の広島湾進出を阻止しようと軍備を整えた。

この城は数個の分かれた山城であるが、海上に突き出し、味方の水軍と連絡できる水軍城の特色も合わせ持っていた。

同年九月、晴賢は二万余の大軍を率い厳島に上陸し、五重塔がある塔の岡付近に本陣に置いてこの城を攻撃したが、三百余の城兵はよく守り持ちこたえた。元就は主力の軍を率い、包ヶ浦から上陸して、山を越え背後から陶軍の本陣を急襲し、この城兵も主力軍に呼応して陶軍を壊滅させた（『現地案内板』）。

フェリー桟橋付近の要害山（今伊勢神社）が城跡。遺構はあまりないが、厳島合戦に思いを馳せながら登城しました。宮島内は野生の鹿がたくさんおり、城跡にも親子の鹿が昼寝をしてました。かつての激戦の舞台も平和になりました。