膳城

膳城(★★★ 群馬県前橋市粕川町膳)は、兎川と湧水による湿潤な谷地の間の丘陵性台地の先端部に位置する。

南北約550m、東西約300mほどの範囲の中に濠や土塁をめぐらし、本丸の他、数区画からなる郭を形成している。
この城の築城年代は明らかではないが、鎌倉時代の文書に既に「善」氏の名が見える。しかし、この膳城に居城していたかについては明らかではない。
その後、室町時代から戦国時代にかけての文書にも「善」氏は度々登場する。
戦国時代には、関東地方の覇権をめぐる北条、上杉、武田の戦記物に度々「膳」な名が現る
(『城址案内板』)。

現在見ることのできる膳城の姿が形成されたのは、この戦国時代末期と考えられる。特に天正八年(1580武田勝頼による東上州侵攻の際の、膳城をめぐる攻城戦は「膳城素肌ぜめ」として著名である。
膳城はこの戦いの後、廃城となったと伝えられる。本丸周辺の濠、土塁等は当時の姿を良く残している(『城址案内板』)。

城跡は良く整備されており、特に本丸空堀など遺構も良く残る。

 

  

  (【左写真】本丸跡。【右写真】本丸空堀跡。)

 

  (【左写真】本丸西方に位置する袋曲輪跡。【右写真】二の丸跡。土塁も一部残る。)

 

  (2011年12月16日訪問)

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城と古戦場 

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