西袋陣屋

西袋陣屋(興津氏館とも★埼玉県八潮市西袋)

戦国時代に創建された屋敷跡で、宅地、自然堤防から成り、堤の全周が残っていた(『埼玉の中世城館跡』)。

名主・小沢平右衛門豊功の記録によると、もと幕府の相州辺の代官で高200石を給せられた曽根某の陣屋の置かれた土地だという。馬なら江戸まで毎日往来できる好立地だったが、延宝九年(1681)曽根長五郎の時、陣屋等を小沢家に払い下げて江戸に移住したという(『八潮市史』)。

曽根氏はもともと興津氏を名乗っており、関東郡代・伊奈備前守忠次の家臣・興津良次が陣屋を構えた場所で、「馬場、幕口、大門」という地名もあったと伝わる。なお興津良次は後北条氏の家臣ともいい、中世館跡であった可能性が指摘されている(『現地説明板』)。

かつては全周する構え掘と中央やや北寄りに陣屋内を南北に区画する掘があり、その外にも掘があって二重堀を形成していた(『文化十年(1813)西袋村絵図』)。

現在は西袋陣屋公園となっている。遺構はほとんど残っていないようだが、一部にそれらしい地形が見られる。

(参考サイト『儀一の城館旅』『犬と武士』『帝國博物学協会城郭研究部』)

 

 

 

 (【左写真】「陣屋」は公園となって整備されている。背後の柵の中が内堀。【右写真】一部に起伏があるが土塁の遺構なのだろうか?)

 (公園の脇には祠の祀る高台がある。櫓台の名残りであろうか?)

  (2015年1月13日訪問)

 

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