藤波氏館

藤波氏館(南後谷屋敷、藤波氏屋敷とも★埼玉県八潮市大字南後谷763番地50

戦国末期に創建された屋敷跡で、宅地、自然堤防から成り、“馬場の家”とも呼ばれる(『埼玉の中世城館跡』)。

藤波家は、埼玉郡八條領後谷村の開発名主で、近世初頭に土着したと伝えられる。後谷村の名主は二人制で、近世初頭から中期にかけては、小櫃氏と会田氏が勤めた(『八潮市史』)。
土着した頃は本間氏を、その後に小櫃氏を名乗って18世紀末に藤波姓に改姓した。江戸時代を通じて後谷村の名主を勤めた名家で、旧藤波家住宅は明治九年(
1876)に建てられた大型民家である。 
旧藤波家住宅は瓦葺、檜柱、黒漆喰外壁仕上げといった特徴を持ち、かつては周囲に構え掘を擁した中世館跡であったと推察される(『八潮市立資料館資料』『八潮市史』)。

藤波氏館は、現在の八潮市立資料館を含む広い敷地であったと考えられる。明治初頭の民家が残っているが、そのほかには遺構は無い。周囲はかなり入り組んだ細い道で往時の名残りなのであろうか?

(参考サイト『儀一の城館旅』『犬と武士』『帝國博物学協会城郭研究部』)

 

  

 (【左写真】八潮市立資料館。この周辺が跡地とされる。【右写真】八潮市立資料館の遠望。

 (八潮市立資料館の中にある藤波屋敷。明治初期の民家だという。

  (2015年1月13日訪問)

 

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