門井館

門井館(かどい★★埼玉県加須市南大桑)

『埼玉の中世城館跡』(第2版)によれば、戦国時代の館で、「南大桑3469」を所在地とし、現況は宅地、自然堤防、遺構としては堀が全周する。

『加須市史』は、天正十年(1582)足利義氏が家臣・石川信濃守に発給した所領安堵状に「殊御代官所は南大桑に前々の如く仰せ付けられ候」と記され、この“南大桑の代官所”を門井館と関連付けている。

『新編武蔵風土記稿』『武蔵国郡村誌』に記載はなく、従来は知られていなかった館だといい、元享元年(1321)の銘のある板石塔姿が屋敷内から出土した(『埼玉の中世城館跡』)。

『埼玉苗字辞典』によれば門井氏は加須市に多く住する一族だという。しかし、この館に来た由緒は分からないらしい。

門井氏が住まわれており、周囲には堀の一部が良好に残っている。戦国時代の代官所もしくは土豪屋敷を伝える遺跡として貴重なものである。

(参考サイト『余湖くんのホームページ』『儀一の城館旅』)

 

『埼玉の中世城館跡』(第2版)掲載の図面)

 

(【左写真】郭の南西側。起伏が見られるが何かの遺構なのだろうか?【右写真】周囲には堀が残っている。立派な遺構である。)

(表門。広大な敷地の民家である。)

  (2015年4月27日訪問)

 

戻る

城と古戦場 

inserted by FC2 system