閏戸堀之内
閏戸堀の内(うるいどほりのうち★埼玉県蓮田市閏戸) 『埼玉の中世城館跡』(第2版)は、室町時代の館で、「閏戸松原」を所在地とし、現況は宅地・山林・畑、台地、遺構は堀・土塁で、備考に「黒須氏館」と記している。 『新編武蔵風土記稿』には「旧家者与兵衛、氏を黒須と称す。何れに仕へし士にや詳にせざれど、先祖平内五郎へ永正十六年・長謂と云ふ人より与へたる感状、及び氏綱と云ふものゝ出せし文書を所持したれば、旧き家なることは論なし。文書に見へたる氏綱は、もしくは郡中新堀村に住せし佐々木氏綱ならんといへり。又入間郡に黒須村ありて、其の地に遠からざれば、与兵衛が先祖は、元彼の地に住して在名を氏となせしも知るべからず。されど是等の事、記録の伝へなければ総て考うるに由なし」と記されている。 黒須氏は、入間郡黒須村の自出で、古代以来ここに居住し、今でも子孫が多く住んでいる(『埼玉苗字辞典』)。 現地には「館跡堀之内」との碑が立ち、背後の民家には土塁が残存している。ただどこまでが遺構なのかは判然としないところである。 (参考サイト『城跡ほっつき歩き』『帝國博物学協会城郭研究部』) |
(【左写真】堀之内の碑。【右写真】背後の民家には土塁が残る。しかし見学には配慮が必要である。)
(堀之内の遠景)
(2015/11/22訪問)