中三谷遺跡

中三谷遺跡(★埼玉県鴻巣市大字鴻巣字中三谷)

『埼玉の中世城館跡』(第2版)は、年代未詳の館跡で、「鴻巣中三谷405-4」を所在地とし、現況は宅地・畑、台地で、遺構は堀・井戸があったと記している。

同書によれば、本遺跡にかかる記録はないが、与野党の笠原氏の本拠に近く、昭和60年、埼玉県運転免許センター建設に先立つ発掘調査で、方形館の一部が検出、堀の幅は45m、深さ1mで、13世紀の陶器等が堀から出土したという。

『鴻巣市史』によれば、館東を囲む内堀の内側からは井戸跡18基、竪穴状遺構1基、柱穴789基などが発掘され、当時の標準的な武士の屋敷地で、出土した陶器の製作年代から12世紀末から14世紀前半まで使用されたものと推察され、元荒川に近接した館の立地などから、居住者はその舟運・水利を掌握した在地領主と考えられるという。

現地は埼玉県運転免許センターになっており、モニュメントや説明板、出土品の展示など整備されているらしいが、訪問日は日曜で見学はできなかった。


(『埼玉の中世城館跡』掲載の全体図。)

  

(【左写真】『鴻巣市史』掲載の図。【右写真】現地は免許センターになっている。)

 

  (2015/12/30訪問)

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