南原遺跡
南原遺跡(みなみはら★埼玉県戸田市南町) 『埼玉の中世城館跡』(第2版)は、室町期の遺跡で、「南町2279他」を所在地とし、現状は倉庫、自然堤防で、遺構は堀・建物跡と記している。 南原遺跡は、弥生時代から中世にかけての複合遺跡で、昭和44(1969)年から計10回の調査が行われている。これまで古墳時代前期の竪穴住居跡1軒、平安時代の竪穴住居跡2軒、平安時代~中世の溝跡10条、井戸跡4基、土壙7基、掘立柱建物跡1棟などが見つかっている(公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団HP) 『戸田市史』によれば、屋敷の周囲に巡らされた堀溝で、これを灌漑・排水に利用することによって、屋敷に付属する畠を水田化して上級農民は生産力を向上させたと推測している。 したがって、必ずしも城館に由来する堀跡とは言えないようである。 今は住宅地となってその所在も消えてしまった。 |
(中世の堀が発掘されたが、現地は住宅地となって何も遺っていない。)
(2016/4/29訪問)