景信山烽火台

景信山烽火台(★ 東京都八王子市裏高尾町(景信山))

『新編相模国風土記稿』の小仏峠の項に「夫(小仏峠)ヨリ北ニ寄リテ、景信山ト唱テ一50m、区ノ地アリ。北条氏照家臣横井監物景信ガ警備セシ構ヘノ跡ナリト云。或云、八王子城滅亡ノ後、甲信警備ノ為ニ千人隊モ爰ヲ守リシナト云ヘル(下略)」と記し、さらに『築井県紀行詩集』では、氏照がここに烽火台を設けたことを記している。

 現在、景信山の東西50m、南北100mの頂部には三段の平坦面があるが、いずれも茶店を作るときに造成されたものといわれ、烽火台にかかわる遺構はまだ確認されていない。しかし、景信山頂から明王峠にかけての尾根筋は、古い甲州街道と伝承されているので、当然その要衝として重要な位置を占めていたに違いない。景信山の山容は、山頂付近が急勾配で突起しており、見るからに要害の体をなしている。しかも頂上は比較的広く、平坦面が確保できる地形となっているため、単なる烽火台のみならず、山道を押さえる要害としてなんらかの利用があったとしても不思議ではない。展望はきわめてよく、景信山を東に尾根伝いに下ると、江戸期の小仏関のある駒木野で出ることができる(『日本城郭大系』より)。

標高727mの景信山が烽火台跡で、登山コースとなっている。眺望は極めて良好。

 

(頂上からの眺望)

頂上部分(関連する遺構はない)

 

2016/7/10訪問)

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