吹上館

吹上館(ふきあげ★埼玉県和光市白子)

『埼玉の中世城館跡』(第2版)は、戦国期の館で、「白子3-14-13」を所在地とし、現状は寺院、台地で、遺構は堀と記している。

『和光市史』には城館の項は無く、記載は見られない。

吹上観音(東明寺)が跡地で、『新編武蔵風土記稿』は、天平年中(729-749)行基菩薩がこの地を巡行して吹上観音堂を結び、多くの年歴を経て普明国師が東明寺を開基したと記している。また、元亀二年(1571河村弥二郎が寄進した鰐口(元亀二年六月朔日・河村弥二郎殿寄進の銘)が遺されており、これは、かつて紛失したものの、元禄年中(1688-1704)当寺再興の時、山の下の赤池から見つかったという。

『小田原所領役帳』によれば、戦国時代、当地(新倉村)は後北条氏家臣・川村氏(河村氏)の所領のひとつであった。しかし、『新編武蔵風土記稿』に東明寺に館があったとの記載は見られない。

境内には土塁状の起伏も見られるが館の遺構なのかは不明。『埼玉の中世城館跡』にいう「堀」も不明で詳細は分からない。

参考サイト:城郭図鑑 古城址探訪

 

(吹上観音。周囲を睥睨する要害の地形だが館跡は不明。)

 

  (2016/12/22訪問)

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