大井氏館

大井氏館(東原遺跡、東原館とも★埼玉県ふじみ野市大井)

『埼玉の中世城館跡』(第2版)は、戦国期の館跡で、「大井東台、東原」を所在地とし、現状は宅地、畑、台地で、遺構は堀と記している。

『大井町史』は、塩野庄左衛門尉のものと云われ、昭和53-56年に発掘されている。東原小学校の西隣に位置し、現在は畑になっているが周囲より若干高い。堀・柱穴など館跡の遺構が発見され、惣百姓の自衛の拠点として築かれたと記している。

『埼玉苗字辞典』は、塩野氏を、「縄文遺跡や、徳性寺弘安四年銘板碑などがあり、古代以来の土着者なり。」と記す。

『大井村郷土史』は、「伝うる所によれば大井に大井四人衆という者あり、新井伊賀、新井織部、塩野大膳、小林出羽の四浪にして、相率て大井に来り大いに土地の開発に努めたりという。四浪の土着年代は今詳にし難しと雖も、弘治永禄の以前なりし事は確なり。仍て思うに大永天文の頃なるべし」と記す。

戦国大名北条氏から塩野庄左衛門尉(しおのしょうざえもんのじょう)・新井帯刀(あらいたてわき)など大井四人衆が、大井郷の責任者の名主に任命され、郷内の運営や未開地の開墾を行っていたことがわかるという(『ふじみ野市HP』)。

現在は宅地化が進んで遺構は見られない。

 

 

(『大井町史』掲載の古写真と1947年の航空写真)

 

(跡地は東原小学校付近の西側で、遺構は見られない。)

 

  (2017/5/8訪問)

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