奈倉館

奈倉館(なぐら・埼玉県秩父郡小鹿野町)は、北に赤平川、西に八幡沢を控えた要害の地。

「北から西にかけては深田で、人馬の侵攻は困難とされ、保塁は完璧だった」と『日本城郭大系』に書かれているが、同書は方向を誤っており、「西から南は深田」だったのだろう。

秩父氏館と前後して築かれ、秩父氏の一族・畠山重忠の後裔・奈倉行家が館を構えたという(『新編武蔵風土記稿』)。

「八幡沢が荒川に合流するところが本丸跡とみられ、平坦部に摩利支祠跡があり、石積みが残っている。ここから赤平川に向かって、崖上の両側に石垣が積まれ、これが30mほど続き、そこに八幡祠の跡があって、樹齢四百五十年といわれるつつじの古木がある」(『日本城郭大系』)。

北側には石塁が築かれ、そのまま沢に落ち込んでおり防御は良いと思う。しかし、肝心の南側には遺構が残されていない。本来は、同じように石塁を高く築いていたのだろうか?

 

 

 

(現地案内図)

 

 (【左写真】館跡の木碑。【右写真】館跡。かなり広いものである。)

  

 (【左写真】西奥の八幡社あと。【右写真】北側に累々と続く石塁。しかし、なぜ沢の側に築いたのか?)

  

 (【左写真】明らかな虎口がある。沢だがここから出入りしたのか?【右写真】虎口の様子。)

 

 (【左写真】外側から虎口を見る。【右写真】外側も石積みが続いている。)

 

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